コラム

◆化粧品の生産管理で抱える6つの課題とシステム導入のメリット

2023/10/05
化粧品の生産管理で抱える6つの課題とシステム導入のメリット

製造業において、生産の効率化は利益向上のために不可欠です。しかし、化粧品のように製造工程が複雑で、厳格な品質管理が求められる業種では、生産管理業務が困難になることも少なくありません。

本記事では、化粧品製造業における生産管理の課題と「生産管理システム」導入のメリットの解説と併せて、医薬・化粧品・健康食品に特化した製造業向けERP生産管理システム「JIPROS」について紹介します。生産管理システムの導入を検討している方は、是非、参考にしてください。

■化粧品製造業が生産管理において抱える6つの課題
化粧品製造業が生産管理において抱える6つの課題

より効率的な生産管理を行なうためには、現状の課題を明確にし、対処・改善していくことが必要です。そこで、まずは化粧品製造業で発生しやすい生産管理に関する6つの課題を解説します。

① 人的ミスを防ぐのが難しい
生産工程においては、誤発注や誤入力、記載漏れ、認識違いなどの人的ミス(ヒューマンエラー)が起こる可能性を排除できません。人が行なう作業である以上、人的ミスは必ず起こるといえます。

特に化粧品製造は工程が複雑で、扱う原料や資材も多く、受発注、原料や資材の受け入れ、バルク製造、充填、包装、各種検査、出荷などのさまざまな工程や管理業務のなかで人的ミスが起こり得ます。

人的ミスを防ぐためには、第三者による確認作業や承認作業が必須になります。しかし、これらの作業が手間となり、結果的に業務効率を下げてしまうのが難点です。

② 品質管理に手間がかかる
品質管理は生産管理の業務と一体です。化粧品製造業では厳格な品質管理が求められますが、複雑な製造工程において正確かつ安定した品質管理を行なうことは簡単ではありません。

化粧品製造では膨大な種類の原料や資材を使用します。それらの受入検査やロット管理、使用期限や保管方法の管理と先入れ先出しの徹底は、品質管理において欠かせません。さらに、バルク検査や製品検査など、各工程でも細かく品質管理業務は行なわれます。

管理するべき内容が多いだけではなく、正確な記録とその保管・管理も必要になり、品質管理業務は大きな手間となります。また、これらの業務をアナログな手法で行なっている場合、記録の書き間違いなどの人的ミスにもつながりやすく、生産管理業務に大きく影響する可能性が考えられるでしょう。

③ 複雑な在庫管理
化粧品製造業では原料や資材、バルク、中間製品(半製品)、製品など、さまざまなモノの在庫管理業務が発生します。特に原料は、1つのバルクに何種類もの原料を使用したり、1つの原料を複数のバルクに使用したりと、在庫の形態が変動しやすく管理が複雑です。

また、化粧品の原料や製品の多くは使用期限が定められているため、原料の受入日や製造日、先入れ先出しなどについて、厳しい期限管理も必要になります。アナログな手法で管理を行なうと、期限の切れた原料を使用してしまったり、期限の切れた製品を出荷してしまったりなどの人的エラーが発生するほか、正しい在庫状況の把握も難しくなるでしょう。

在庫のリアルタイムな状況の把握が難しくなれば、発注業務にも影響が出ます。発注ミスによって過剰在庫を抱えることは、コスト面での大きなデメリットです。

④ トレーサビリティの確保
化粧品は直接肌に使用するものであるため、厳しい品質管理が必要です。多くの化粧品製造業で取得されている品質管理の規格には「ISO9001(品質マネジメントシステム)」や「ISO22716(化粧品GMP)」などがあり、化粧品製造業はこれらに則った管理体制が求められます。

そのためには、製品のトレーサビリティが欠かせません。不具合が発生した場合に備えて、原料やバルク、中間製品、製品まで正確なロット管理を行ない、どのような工程で起きた不具合なのか、その製品はどのように製造されたのかなどをトレースできるようにしておく必要があります。

ただし、高レベルでのトレーサビリティ確保は簡単なことではありません。また、アナログな手法に頼った管理方法では、手間がかかるだけではなく人的ミスも起こりやすくなってしまいます。

⑤ リアルタイムな部署間の情報共有
部署間での情報共有も生産管理業務における重要な課題です。化粧品製造業は工程の多さから、関連部署も多くなります。各工程を該当部署が個別管理すると、部署間での情報共有が困難になり、スムーズな連携が取れません。その結果、製造プロセスに問題が発生するおそれがあります。

生産性向上のためにも、異なる部署間での情報共有・連携強化は欠かせません。ただし、必要になるたびに何度も連絡を取り合うのはかえって非効率です。コミュニケーション環境を適した形に整備しなければ、リアルタイムでの情報共有は困難であり、生産管理業務に影響をおよぼしてしまいます。

⑥ 生産管理業務の属人化
従業員同士の情報共有や業務のシステム化が進まないことで、生産管理業務が属人化してしまうことも大きな課題です。属人化により特定の人物・部署に業務が集中すると、業務のブラックボックス化が起こってしまいます。

ブラックボックス化により担当者だけが業務を把握している状況では、担当者が不在の場合や担当者変更時に、時間やコストの大きなロスが起こる可能性があります。また、トラブル発生時に発見や対処が遅れてしまうリスクも考えられるでしょう。

生産管理業務の属人化は、業務の不透明化や正当な人材評価の困難さをもたらすだけではなく、生産効率に大きく影響するのです。

■化粧品の生産管理の課題に対する3つの改善策

続いて、化粧品製造における生産管理の課題に対する、適切な改善策を3つ紹介します。

① 各工程・業務の進捗を可視化
化粧品製造における複雑な工程や業務の進捗状況を可視化することで、改善点や課題の詳細が分かりやすくなります。現状の正しい理解は、改善方法や対処方法の立案につながるでしょう。また、工程や進捗を可視化することは部署間の情報共有を促し、ひいては生産性のアップにもつながります。

② 業務内容のマニュアル化
生産管理の業務内容をマニュアル化することで、属人化を防げます。業務内容の可視化にもなり、ブラックボックス化を防ぐとともに、課題に対する改善策も提案しやすくなるでしょう。また、マニュアル化のメリットとして、作業時間の短縮や業務品質の向上も見込めます。複雑な工程でも業務品質が均一化され、生産性もアップするでしょう。

③ 生産管理システムの導入
生産管理システムとは、生産管理業務に必要な情報を一元管理できるシステムです。パッケージによって異なりますが、以下のような機能を備えているのが一般的です。

・販売管理
・原価管理
・購買管理
・工程管理
・出荷管理
・在庫管理

製品によっては、化粧品製造業ならではの厳格な品質管理や複雑な在庫管理もシステム化できます。また、システム化によって人的エラーを減らせるほか、各工程の履歴が細かく残るシステムを使えば、トレーサビリティも確保しやすくなるでしょう。

■生産管理を効率化する「生産管理システム」導入のメリット
生産管理を効率化する「生産管理システム」導入のメリット

前項では、生産管理の課題に対する改善策の一つとして、生産管理システムの導入を紹介しました。続いては、生産管理システム導入によるメリットをより具体的に解説します。

◇生産業務を効率化できる
生産管理は内容が多岐にわたる複雑な業務です。これをシステム化することで、生産業務を効率化できるでしょう。人的エラーの削減やシステムによるトレーサビリティ体制の構築によって、より高レベルな品質管理も可能になります。

また、システム化にともなってバーコードとハンディターミナル(携帯端末)を活用すれば、アナログ作業による手間を削減できるうえ、効率がアップするでしょう。同時に、業務のペーパーレス化も進められるため、コスト削減にもつながります。

◇生産活動を広く可視化できる
生産管理システムを導入することで、生産管理に関わるあらゆる情報を可視化できます。全ての情報をリアルタイムで把握できるため、業務効率の向上につながるでしょう。

また、生産活動に関する情報へアクセスしやすくなることで、生産管理業務の属人化を防ぐことが可能です。そうした情報アクセスの容易さは、情報共有や部署間の連携にも役立ちます。

◇情報の一元管理によりトラブル時の迅速な確認・対応が可能
生産に関わる情報を一元管理することで、各種管理ツールへのアクセスや書類の閲覧などの手間を削減でき、作業時間の短縮による業務の効率アップを実現できます。

また、情報を集約することで課題に対処しやすくなり、意思決定にかかる時間も短縮できるため、トラブルが発生しても迅速な確認と対応が可能です。新たな課題にも気付きやすくなり、情報の有効活用によって好循環を生み出せるでしょう。

■医薬・化粧品に特化した生産管理システム「JIPROS」なら必要な機能が標準装備

化粧品製造の現場への生産管理システム導入を検討しているなら、JIPの「JIPROS」がおすすめです。ここからは「JIPROS」の特徴や導入のメリットを解説します。

◇医薬・化粧品の生産管理に特化
「JIPROS」は、日本電子計算株式会社(JIP)による医薬・化粧品に特化した製造業向けの生産管理(販売・生産・原価)パッケージです。自社製品やOEM製造、併用型など多様な生産形態に合わせられるほか、化粧品製造ならではのさまざまな課題にも柔軟に対応できます。

また、随時変更されるGMP対応を支援する品質管理機能も装備しており、原料検査や資材検査、バルク検査、製品検査、在庫検査など各業務プロセスにおいて、実際の仕事の流れに沿った適切な管理が可能です。

◇豊富な機能で全工程をサポート
「JIPROS」は化粧品製造業に必要な製造プロセスを支援する機能を標準装備しており、最小限のカスタマイズで導入可能です。受注管理や生産計画、購買管理、製造管理、品質管理、出荷管理など、業務の全工程をサポートする機能を、低価格でコンパクトに提供します。また、秤量システムや現場ペーパーレスソリューション、バーコード検品といったオプション機能・製品も充実しており、連携することでより強力なシステムを構築可能です。

同時に、生産情報(生産管理)・コスト(原価管理)・販売情報(販売管理)の3つの見える化をサポートし、責任者や経営者による意思決定の迅速化の支援も行ないます。

◇手厚いサポート体制
生産管理システムの導入には、業界ノウハウや導入手法の把握、GMP規制対応、ハードウエアサポートが必須です。その点、「JIPROS」はJIPによるワンストップ導入なので、豊富な導入ノウハウや業界知識をフル活用し、契約と導入、ハードウエアの設計と構築、本稼働からその後のサポートまで全て行ないます。このため、初めてのシステム導入でも安心して導入可能です。

また、システム導入においては、変化の多いGMP規制要件への対応を意識した「JIPROS標準導入手法」を利用します。この手法により、短時間・低価格・ローリスクでGMP規制を意識した導入が可能です。

■まとめ

さまざまな課題を抱える化粧品製造における生産管理では、生産管理システムの導入によって、従来の課題に対処しつつ業務効率をアップさせることが可能です。人的エラーを削減することで、品質管理のレベルも上がるでしょう。

生産管理システム導入の際には、自社の業態やフローに合わせたパッケージ選びが重要になります。化粧品製造に特化した「JIPROS」なら、必要な機能が標準装備されており、手厚いサポートで、システム専任担当者が不在でもスムーズな導入と運用が可能です。

生産管理システム導入を検討している方は、まずはお気軽にご相談ください。

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