コラム

◆化粧品業界におけるDX戦略とは?製造現場のDX化は生産管理システムの導入がカギ

2024/02/20
化粧品業界におけるDX戦略とは?製造現場のDX化は生産管理システムの導入がカギ

化粧品・美容業界においても、他の業界と同様に経営体制の抜本的な変革が必要とされています。その重要課題とされているのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進です。

しかし、化粧品業界や化粧品製造業でどのようにDXを推進していけば良いのかわからない、という方もいるでしょう。

この記事では、化粧品業界や化粧品製造業におけるDX推進のメリットや課題、導入手順について詳しく解説します。また、段階的DX推進をサポートする生産管理システム「JIPROS」についても紹介します。

■化粧品業界におけるDX戦略の概要と事例

まずはDXの意味を確認し、化粧品業界におけるDXの成功事例と、DXの必要性を見ていきましょう。

◇DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
DX は「デジタルトランスフォーメーション」の略語です。組織や企業がデジタル技術を活用することで、業務プロセス、製品、サービス、カスタマーエクスペリエンスなどを改善し、競争力を高めるための取り組みを指します。社会制度や組織文化・ビジネスの仕組みそのものを変革することに焦点が置かれているのが、単なるIT化とは異なるポイントです。

DXの目標は、効率性の向上、革新の促進、データ分析の活用、オンラインプレゼンスの強化、および新たなビジネスモデルの創出などにあります。

DXは、新型コロナウイルスの感染拡大によって働き方が変化するなか、その必要性が高まっています。しかし、日本では米国などと比べるとまだまだ取り組みが進んでいません。

◇化粧品・美容業界におけるDXと成功事例
化粧品・美容業界においては、自分に合うかどうかを実際に試さないと選べないという製品の特性から、なかなかDXが進みませんでした。しかし、現在では対面販売を忌避する人が増えるなど顧客の購買行動が変化したこともあり、多くの企業やメーカーがDX戦略を推進しています。

例えば、ある化粧品メーカーではAIによるメイク診断やARによる髪色シミュレーションのように、デジタル技術を活かした顧客体験価値を提供しています。また、オンラインカウンセリングなどで収集した情報を、商品開発や店舗での顧客対応に活用しているのも注目すべきポイントです。

すべての従業員にデジタルトレーニングを実施して経営体制そのものの変革を推進している企業もあります。その会社では取り組みの結果、さまざまな変化に対して的確かつ柔軟に対応できる組織体制の構築に成功しました。

化粧品の製造現場でも、生産管理を拡張するなかでMES(製造実行システム)の導入などによるDXが試みられています。例えば、有効期限やロット番号といった印字業務の自動化もその一つです。これらの業務を手動で行なうと、どうしてもミスが発生してしまいます。

そのほか、品質管理や設備メンテナンスの自動化に取り組んでいる企業もあります。生産管理を拡張するなかで、DXを推進することによる人員の削減とミスの発生する機会の削減は、コスト削減にもつながるポイントです。

◇化粧品製造業におけるDXの必要性
化粧品製造業においても生産管理を拡張するなかでDX化を行なう必要性は高いです。その一つとして挙げられるのは、顧客ニーズが変化しやすいことです。顧客ニーズの変化に対応しようとすると製造管理業務が複雑化し、生産効率が低下してしまうわけです。

しかし、工場に最先端のデジタル技術を導入したスマートファクトリーであれば、そうした顧客ニーズの変化に対しても生産効率を最適化できるだけでなく、品質向上も期待できます。先述したように、製造関連の分野はいまだアナログ作業が多く、業務も複雑です。生産管理を拡張するなかでDX導入を行ない情報の見える化や業務の自動化を行なえば効率を上げられるでしょう。

また、DXの推進は、日々変動する顧客ニーズや経済情勢、激化する海外企業との競争に柔軟に対応できる企業体制の構築にもつながります。

■化粧品製造業DXの4つのメリット
化粧品製造業DXの4つのメリット
ここからは、化粧品製造業が生産管理を拡張するなかで取り組むDXにはどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。

◇1.生産性の向上
現場作業支援ソリューションのようなDXを導入すれば、生産性や品質の向上、在庫管理や生産管理、品質管理、会計、物流、製造工程などの自動化が可能になります。

また、リアルタイムの工程管理やデータ分析によってトラブル時にも迅速に対応できるようになります。さらに、ペーパーレス化によって手間を削減すれば、業務効率がアップするでしょう。現場や部署間での情報共有やデータ分析は、より迅速かつ正確な意思決定にもつながります。

◇2.コスト削減
AIやシステムは人員に代わる手段として活用できるため、人件費を削除しながら作業の質を安定させられます。また、削除できたコストを別のリソース構築の予算にあてれば、企業の発展に寄与するでしょう。

具体的には、製造業においてはAIやロボットの導入が挙げられます。生産計画や在庫管理の最適化にはAIによるデータ分析が有効です。

◇3.業務の属人化の防止
技術の属人化は製造業における大きな課題です。しかし、個人や部門に帰属していた製造スキルはDX化によって標準化できます。例えば、DXによって製造業の現場での技術やノウハウはデータとして保存でき、誰でもアクセスできるようになります。一部の人に依存していた技術や知識が共有できるようになれば、人手不足や後継者問題などの課題解消も期待できるでしょう。

また、生産管理業務に適したシステムの導入によって技術やノウハウを標準化することも可能です。これにより属人化を防止し、特定従業員の負担を軽減できます。

◇4.対応力とダイナミック・ケイパビリティの向上
化粧品業界は顧客ニーズが変化しやすいため、柔軟な対応力が必要です。対応力を備えるにあたっては、自己改革能力であるダイナミック・ケイパビリティを高めなければなりません。DXは業務の効率化や人材育成の強化が可能なため、急激な市場変化にも対応できる業務体制と人材育成を実現できます。

また、情報共有によって現場と経営陣の密な連携が可能になれば、迅速な意思決定や事業改善ができるようになるでしょう。

■化粧品製造現場でのDX推進方法とは?課題と手順を解説
化粧品製造現場において、生産管理を拡張するため具体的にどのような形でDXを推進すれば良いのでしょうか。化粧品製造現場での課題や対処法、推進手順について解説します。

◇DX推進における課題と対処法
化粧品製造現場で生産管理を拡張するためのDX推進には、以下のような課題が挙げられます。

・初期投資や維持管理費の発生
・業務に適したツール・システムの選定
・ノウハウ不足
・DX人材の確保・育成
・ビジョンや経営戦略の明確化
・ユーザー企業とベンダー企業の関係性の不適切さ など

これらの課題に対処するためには、業務に適したツール・システムを段階的に導入することや、現状の課題を明確化することが求められます。加えて、関連サービスや支援機関を活用しながらIT人材の育成や採用に取り組むこと、ビジョンや経営戦略を明確に打ち出して共有すること、価値中心の取引を行なうことなども重要です。

また、経営層がDXの重要性を理解し、積極的に取り組むことも大切です。そのため、DX推進部門などの専任部門をつくり、専門知識をもつ人材を採用するか、もしくは育成するとよいでしょう。

◇DX導入の手順
それでは、具体的にどのようにして化粧品製造現場ではDX導入を進めれば良いのか、詳しく解説します。

①課題の把握と分析・評価
まずはどのような課題があるのかを把握しましょう。そのためにも既存のシステムの理解と整理が大切です。現場だけでなく経営陣にもヒアリングしましょう。そのうえで属人化している部分の共有、現状の課題の理解を行ないます。

②実現イメージの提示
企業全体の課題を把握したらDXの実現イメージを明確化して提示します。その際に重要なことは、上層部から現場まで社内全体でイメージを共有することです。そうすることで協力者が増え、DX実現がより現実的になります。

③推進体制の整備
イメージを共有したら体制を整えましょう。ITに精通した人員をアサインしたり部署を設立したりします。人員の質や人数を検討することも大切です。社内にいる人員だけではなく社外の人材を活用する方法も検討しましょう。

④段階的な業務の効率化
業務の大幅な変更は現場の混乱を招いてしまいます。そのため、DXは局所的に進めていくのがおすすめです。長期的なプロジェクトになる、という認識で取り組みましょう。

⑤新しい価値の創出
DXを導入したら、それによって得られたデータを分析・活用して課題の発見や改善を実行します。この過程を繰り返すことが企業の新しい価値の創出や向上につながります。目的はDXの導入ではなく、DX導入によって得られたデータの活用です。

■生産管理システム導入がDXのカギ
生産管理システム導入がDXのカギ
化粧品製造業においては、生産管理システムを導入することでさらなるDXの推進が期待できます。

化粧品の製造は品質管理が厳しく、製造工程や各種管理が複雑です。そのため、なかなか生産管理をマンパワーのみでは対応しきれません。そこで生産管理システムを導入すれば、生産工程のあらゆる情報をリアルタイムに可視化し、一元管理できます。

例えば、生産計画や工程管理、品質管理、在庫管理、各工程の全体的なコスト管理などです。業務負担の軽減や作業上で発生するミスの削減、作業の効率化にも貢献するでしょう。

また、現場の正確なデータを一元的に把握できることは経営判断や意思決定の迅速化にもつながります。その結果、働き方改革や人材の定着といった副次的な効果も期待できるでしょう。

生産管理システムを選定する際には、フル機能がワンプライスで使えるか、リアルタイムに可視化できるかなどがポイントとなります。

■生産管理システムを導入するなら化粧品製造に特化した「JIPROS」がおすすめ
生産管理システムにはさまざまなものがありますが、特におすすめなのは「JIPROS」です。ここからは、その概要や導入するメリットについて解説します。

◇中堅プロセス製造業向け生産管理システム「JIPROS」とは
「JIPROS」は、GMP規制対応を必要とする医薬や化粧品、健康食品などの中堅プロセス製造メーカー向け生産管理システムです。自社製品やOEM製造、併用型など多種多様な生産形態に対応しています。例えば、製造業向けERP機能としては、販売管理や生産管理、在庫管理、品質管理、セキュリティ管理などが挙げられます。

◇「JIPROS」導入のメリット
「JIPROS」にはさまざまな導入メリットがあります。まず挙げられるのは豊富な機能を利用できることです。必要な機能を標準装備し、それらを低価格かつコンパクトに提供しています。さらに、オプションも充実しているのでカスタマイズも自由自在です。

また、サポート体制も充実しています。ワンストップでの導入をしており、契約や導入から運用後のサポートまですべて行います。DX推進の大きな課題であるノウハウ不足の心配もありません。

■まとめ

化粧品業界では販売、製造の両面でDXの推進が求められています。製造業界で導入する際には生産管理システムから段階的に進めるとよいでしょう。生産管理システムでは「JIPROS」がおすすめです。豊富な機能と充実のサポートがあるだけでなく。基幹系と設備系を連携させることでスマートファクトリー化も実現できます。

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