◆化粧品OEMとは?3つのメリットや選び方について解説
化粧品の自社ブランドを持つにあたり、OEMを検討している方も多いのではないでしょうか。OEMは自社で技術や設備を持たなくても、製品を製造できる点が魅力です。また、少量生産が可能なところもあり、スーパー銭湯や観光地の土産物店などから利用されています。
本記事では、化粧品OEMについて、メリットをふまえながら解説します。OEM企業の選び方や生産管理システムについてもまとめているので、化粧品OEMへの製造委託を検討している方は、ぜひご参考にしてください。
化粧品OEMとは、ある企業のオリジナル化粧品を他社に代わって製造することを指します。依頼を受けて化粧品を製造する企業は「化粧品OEMメーカー」と呼ばれます。化粧品OEMメーカーに依頼する魅力として、自社に設備や技術がなくても独自のブランド商品を持てる点が挙げられるでしょう。
◇OEMの定義とは?ODMとの違いは独自性
OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略語で、他社ブランドのオリジナル製品を製造することを指します。
似た言葉で「ODM(Original Design Manufacturing)」や「外注」などがありますが、企画から販売までの過程でどの部分を任せるかでそれぞれ異なります。
OEMとODMは混同されがちですが、OEMは基本的に生産工程を、ODMは企画段階から携わるため、ODMのほうがより深くかかわることになります。ただし、近年は両者の境界線があいまいなこともあり、OEMであっても開発段階からかかわることもあるでしょう。
化粧品を製造・販売するには「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づく許可が必要です。本来、化粧品を自社で製造・販売する場合には「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」の2つを取得しなければなりません。
しかし、OEMメーカーに製造販売元となってもらうことで、これらの許可を自社で取得する必要がなくなるケースがあります。それと同時に、設備の導入・許可の取得などにかかるコストを削減できるため、自社では商品企画やマーケティングに専念しやすいなど業務効率の向上も狙えるでしょう。
自社ブランド製品を持つにあたり化粧品OEMメーカーに依頼するメリットは、以下の3つです。
◇専門知識・技術が不要
先述のとおり、化粧品OEMメーカーに製造販売元になってもらうことで「化粧品製造業許可」「化粧品製造販売業許可」を取得していなくても、自社ブランドの販売が可能になります。
化粧品の製造は本来、肌への影響などのほか安全性や品質管理など、専門的な知識や技術が必要です。自社で製造するとなれば、法律関連の知識を持つ人材や、各種申請にかかる人手などに多くのリソースを要するでしょう。
化粧品OEMメーカーは、製品を生産するための設備だけではなく、技術やノウハウも持っています。自社に専門的なノウハウがなくても、高品質で安全性の高い化粧品を製造できる点はOEMの大きなメリットです。
ただし、ラベル貼りを自社で行なうなど、一部でも製造工程を担う場合は「化粧品製造許可」が必要になるので注意してください。
◇少量生産が可能
化粧品OEMメーカーのなかには、100個単位での少量生産に対応しているところもあります。少数生産なら、不良在庫を抱えるリスクを軽減できるでしょう。自社工場となると少量生産は難しくなりますが、OEMなら少ないロット数での依頼が可能です。
少量生産には、製品代金や保管費用を節約できるほかテストマーケティングにも活かせるなどメリットが多くあります。製造回数を重ねて改良を加えたり、販売予測を立てたりすることも可能なので、軌道に乗りそうなタイミングで生産数を増やすといった戦略も立てやすいでしょう。
◇商品企画・マーケティングに専念できる
化粧品OEMメーカーに製造から梱包まで依頼する場合、自社ではマーケティング調査や販売戦略などに専念できます。
トレンドの移り変わりが激しい化粧品業界において、市場調査や最新の動向をチェックできるリソースを確保できるのは、大きなメリットの一つです。また、トレンド情報はOEMメーカー側も把握している場合が多いため、企画に対してより良い提案をしてもらえるかもしれません。
化粧品OEMメーカーは、それぞれ対応可能な範囲や得意分野が異なります。OEMを依頼する際に着目したい選定方法は、おもに4つあります。
◇得意分野とマッチし開発力がある
化粧品OEMメーカーは、ネイルケア・スキンケア・ヘアケアなど、それぞれ得意分野が異なります。そのため、自社が開発したい商品を得意とするOEMメーカーに依頼することが重要です。企画に合わせて、オーガニックやヴィーガンなど特定の認証を受けている製品が製造できるなど、OEMメーカーの開発力もチェックしておくとよいでしょう。
◇少量のロットから対応できる
先述のとおり、化粧品OEMメーカーには、100個単位など少量生産に対応してくれるところがあります。在庫過多のリスクを軽減するためにも、まずは少量ロットから生産できると安心でしょう。販売促進のサポートもしてくれるOEMメーカーだと、より心強いです。
◇自社工場を持っている
製造から梱包まで円滑に進めるためには、それらに対応できる自社工場を持つ化粧品OEMメーカーに依頼することで、製品化までスムーズに進められます。また、設備だけでなく生産管理体制が整っている企業なら、業務効率が良く余計なコストを削減することも期待できるでしょう。
◇衛生・品質などの管理体制が整っている
工場内や製造過程における衛生管理が行き届いているかどうか、品質管理が適切に行なわれているかどうかも大切な選定ポイントです。製品の技術力や開発力だけでなく、原料や在庫の管理体制が整っている、信頼できるシステムを構築しているなど、業務プロセスに力を入れている企業なら安心して生産を任せられます。
また、トラブル時のサポートなどについて調べておくことも大切です。万が一の際に、適切かつ迅速に対応してくれる企業なら安心して依頼できるでしょう。
化粧品製造向けの生産管理システムをお探しの場合は、化粧品業界での導入実績が多数ある「JIPROS」がおすすめです。JIPROSは、自社製品をお持ちの化粧品メーカー様だけでなく化粧品OEMメーカー様まで幅広くご利用いただいております。化粧品の製造に必要なシステムをパッケージ化しており、業務効率の向上を目指せます。
以下に、具体的な導入事例を2つ紹介します。
◇導入事例1:パッケージ標準機能で導入し、業務の標準化を図る
化粧品OEMと自社製品の製造をどちらも行なう、あるメーカー様では、増え続ける現場業務に既存のシステムが対応できなくなったため「JIPRPOS」をご導入されました。
新たに発生する業務内容にシステムを合わせるのではなく、パッケージ標準機能にそれぞれの業務を標準化させることで効率アップにつながりました。また、パッケージに含まれる機能を活用し、原価管理の強化や製造現場におけるコストの可視化も実現しています
◇導入事例2:生産計画や在庫を一元管理し重複業務や属人化を解消
食料や医薬品、化粧品など幅広い製品を手がけるあるメーカー様では、工場を新設するタイミングで「JIPROS」をご導入されました。
システム導入を実施することにより、生産計画や在庫状況などの状況を一元管理することが可能になりました。また、管理体制の強化を図ることで、それまでの悩みであった重複業務や属人化の解消につなげています。
JIPROSを活用したお客様の導入事例はこちらをご参照ください
https://www.jipros.com/case/caselist/化粧品OEMとは、他社ブランドの製品をノウハウのあるメーカーが代わりに製造することを指します。化粧品OEMメーカーに依頼することで、専門知識や技術がなくても自社ブランド化粧品を販売できる点が魅力です。
化粧品OEMメーカーに依頼する場合は、自社の企画に合う製品を得意とする企業か、少量生産が可能かどうかなどをふまえながら選定しましょう。また、生産管理体制が整っている企業なら、業務効率の良さやサポートの充実度も期待できます。
自社ブランドの化粧品を持ちたいと考えている方は、OEMをうまく活用しながらビジネス戦略を立案いただくことをおすすめします。