コラム

◆化粧品・医薬品・健康食品それぞれのGMPとは?基礎知識からメリットを詳しく解説!

2024/08/23
化粧品・医薬品・健康食品それぞれのGMPとは?基礎知識からメリットを詳しく解説!

人の健康や人命にかかわる化粧品や医薬品、健康食品は、厳しい基準で製造過程が管理されています。その指標となるのが「GMP」です。

GMPとはGood Manufacturing Practiceの略で、「適正製造規範」と訳され、原材料の受け入れから製造、出荷までのすべての工程において、品質と安全性の確保を図るための基準となっています。

本記事では、化粧品・医薬品・健康食品のそれぞれのGMPについて、基礎知識から遵守するメリットまで、詳しく解説します。

■そもそもGMPとは?

まずは、GMPの概要やGMPの三原則について、詳しく紹介します。

◇GMPとは?

GMPとは、Good Manufacturing Practiceの略称となり、日本では「適正製造規範」と呼ばれています。

医薬品、医療機器、食品、化粧品など、人の健康や安全にかかわる製品の製造において、品質と安全性を確保するために定められた基準のことです。

GMPは、1960年代からアメリカで導入され、その後、各国で採用されるようになりました。日本では、1980年にGMP省令として公布され、特に医薬品製造に関しては、この省令にしたがって製造を行なうことが義務づけられています。

◇GMPの三原則

GMPの三原則とは、以下の3つを指します。

1. 人為的な誤りを最小限にすること
2. 医薬品の汚染および品質低下を防止すること
3. 高い品質を保証するシステムを設計すること

引用:「大阪府薬事審議会医薬品等基準評価検討部会」大阪府

1. 人為的な誤りを最小限にすること
製造工程において人為的な誤りを最小限にするために、例えば以下のような対策が必要とされています。
• 製造工程の標準化
• 作業者の教育・訓練と習熟度の管理
• 作業工程・品質確認作業のダブルチェック など

2. 医薬品の汚染および品質低下を防止すること
汚染および品質低下を防止するためには、例えば以下のような対策が必要とされています。
• 清潔な施設・設備の維持
• 製品に影響を与えない材質の設備にする
• 関係者以外の立ち入りを禁止にする など

3. 高い品質を保証するシステムを設計すること
高い品質を保証するシステムを設計するためには、例えば以下のような対策が必要とされています。
• 品質管理システムの構築
• 各工程のバリデーションの徹底
• 計画に基づいた合理的な検査・試験の実施 など

■化粧品GMPとは?
化粧品GMPとは?

ここからは、化粧品GMP(ISO22716)の概要や取得するメリット、取得方法について説明します。

なお、後述する医薬品GMPには遵守義務があり、ガイドラインに即していないと製造・販売が許可されない一方、化粧品GMP(ISO22716)は自主基準です。

そのため、遵守していなくてもペナルティはありませんが、遵守しておくと製品の信頼性を担保できるため、製造業者として得られるメリットは大きいでしょう。

◇化粧品GMP(ISO22716)の概要
化粧品GMP(ISO22716)は、化粧品の製造における品質や安全性に関する国際規格になります。

◇化粧品GMP(ISO22716)を取得するメリット
化粧品GMP(ISO22716)を取得するメリットには、大きく分けて以下の4つが挙げられます。

・クレームの予防や減少
化粧品GMPを遵守することで、原材料の管理や製造工程の管理が徹底され、製品の品質と安全性が向上します。これにより、製品の不具合や欠陥によるクレームの予防や減少につながります。

・製品品質の安定化
化粧品GMPでは、製造工程の標準化や記録・保存の徹底による安定生産が求められます。これにより、製品の品質が安定し、消費者に安心して使用してもらえるようになります。

・生産効率の向上
化粧品GMPを遵守することで、製造工程の効率化が図れます。例えば、ムダ・ムリの撤廃や、間違いを事前に検出・防止するシステムの設計によって、製造工程の改善や問題の早期発見につながります。その結果、ミスによる工程の停止や、対応に割かれる時間を削減可能です。

・GMP適合の証明
化粧品GMPを取得することで、製品の品質と安全性に対する第三者の客観的な評価を受けることができます。これは、取引先や消費者の信頼を獲得するために役立つでしょう。

◇化粧品GMP(ISO22716)の取得方法
化粧品GMP(ISO22716)を取得するメリットには、大きく分けて以下の4つが挙げられます。化粧品GMP(ISO22716)を取得するには、以下4つの手順にしたがって行ないます。

・クレームの予防や減少
化粧1. 要求事項の理解
まず、ISO22716で定められている要求事項を理解する必要があります。要求事項は、以下の17項目で構成されています。

・適用範囲
・用語及び定義
・従業員
・製造設備
・機器
・原料及び包装材料
・生産
・最終製品
・品質管理試験室
・規格外品の処理
・廃棄物
・委託
・逸脱
・苦情及び回収
・変更管理
・内部監査
・文書化

2. 要求事項への対応
要求事項を理解したうえで、自社の製造体制が要求事項に適合するようにします。製造プロセス、社員への教育、システムの設計など、さまざまな対策が求められます。

3. 審査の申請
要求事項への対応が完了したら、審査機関に審査を申請します。審査機関は、ISO22716の認定を受けた第三者機関です。

4. 審査の実施
審査機関の審査員が、自社の製造体制を審査します。審査の結果、要求事項に適合していると認められた場合は、化粧品GMPの認証が付与されます。

化粧品GMPの取得には、一定の費用と時間が必要です。しかし、化粧品GMPを取得することで製品の品質と安全性を向上させられ、取引先や消費者からの信頼を獲得することができます。

■医薬品GMPとは?
医薬品GMPとは?

医薬品GMPとは、人命にかかわる医薬品を製造する際に、品質規格に適合することに加えて製造過程においても適切に管理されているかを判断する、高品質の医薬品を製造するための要件をまとめたものです。

医薬品GMPは、1963年にアメリカで初めて導入され、その後、世界各国で採用されています。

日本では、1980年に「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)」が制定され、この省令の遵守は医薬品製造業者の義務の一つです。

GMP省令では、医薬品製造業者の施設や設備、原材料や製品の管理、製造工程の管理、品質管理、記録・保存など、医薬品の品質と安全を確保するために必要な事項が定められています。

医薬品GMPの遵守は、医薬品の品質と安全を守るために不可欠であり、各医薬品製造業者は、医薬品GMPの重要性を理解し、社員に教育する義務があります。

■健康食品GMPとは?

健康食品GMPとは、健康食品の製造過程における品質のバラつきや、汚染や有害物質の混入を防ぐために、厚生労働省が定めた基準です。

GMP認定工場として認可を受けるためには、厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に基づき、第三者機関が健康食品製造会社の工場を審査・査察します。

現在、第三者機関として、「公益財団法人 日本健康・栄養食品協会」と「一般社団法人 日本健康食品規格協会(JIHFS)」の2つがあります。

GMP認定工場から製造された健康食品は、品質と安全性が確保されていると判断されます。そのため、生産者としては消費者からの安全安心という信頼を「GMP認定」というアピールで担保しやすくなるでしょう。

消費者にとっては、GMP認定工場で製造された製品を選ぶことで、品質が保証されたものが確実に購入できるメリットがあります。

■JIPROSを用いた取り組み実績

GMP関連企業では、システム含めた品質管理体制整備が求められております。 JIPROSでは、生産と品質管理の統合で品質を担保した生産管理システム運営を実現します。原料入荷、製造時の検査判定、製造時の原材料誤使用の防止、製品の出荷承認など、各業務プロセスにGMP管理を支援する機能を装備しております。

JIPROSを活用したお客様の導入事例はこちらをご参照ください
https://www.jipros.com/case/caselist/

■まとめ

化粧品・医薬品・健康食品のGMPは、それぞれに異なる特徴があります。

化粧品GMP:化粧品の品質と安全を確保するための基準。取得義務はありませんが、化粧品GMPを取得することで製品の品質と安全性が向上し、消費者の信頼を獲得することができます。

医薬品GMP:医薬品の品質と安全を確保するために守らなければならない基準。医薬品GMPを取得することで製造販売が認められます。

健康食品GMP:健康食品の品質と安全を確保するための基準。健康食品GMPを取得することで製品の品質と安全性が向上し、消費者の信頼を獲得できるメリットがあります。

GMPを支援する生産管理システムの構築を進めたいと考えている場合は「JIPROS」をぜひご活用ください。

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