コラム

◆化粧品の品質管理の課題への対策法は?システム導入のメリットや事例を紹介

2024/11/18
化粧品の品質管理の課題への対策法は?システム導入のメリットや事例を紹介

肌に直接触れる化粧品は、高品質かつ安全を保障することが求められ、欠陥が見つかると製品回収せざるを得なくなります。製品回収は製造業を営むうえで最大のリスクともいえるため、高水準の品質管理で未然に防ぐことが重要です。

この記事では、現場における化粧品の品質管理についての課題や対応策、システム導入のメリットを解説します。医薬・化粧品製造業向け生産管理システム「JIPROS」も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

■化粧品の品質管理が抱える3つの課題

化粧品の品質を保つためには、決められた品質規格への適合確認や適切な管理を行なうことが重要です。品質管理で代表的な基準が、国際規格「ISO22716(化粧品GMP)」や「ISO9001(品質マネジメントシステム)」などです。

しかし、基準を順守した品質管理は容易ではありません。ここでは、現場が抱える3つの課題を解説します。

◇1.原材料の誤使用
化粧品は非常に多くの原料を計量し、混ぜ合わせて製造することが多いため、管理が難しいと言えます。製造時に製造指示と異なる原料を使用したり、計量時に規定値以上の過不足が発生した場合などは、期待していた品質を損ねてしまう可能性があります。

そのため、ロット番号などで入荷から配合にかけ原料の使用履歴等を取ることが重要です。

◇2.品質チェックの手間
化粧品の品質を保証するためには、製造過程における厳格な品質チェックが重要です。過去に品質上の問題で自主回収された化粧品の内容には、変色や細菌検出・異物混入などが挙げられます。

そのような問題を起こさないためにも化粧品の品質管理には、入荷時の規格適合試験や製品の製造試験、ロット番号付与、使用期限及び製造手順の管理等が必要となります。

このような管理が増える事で人為的ミスが起こりやすくなるため、化粧品の品質管理ではミスを防ぐ工夫が必要です。

◇3.トレーサビリティ確保の困難さ
化粧品の品質管理を保証するうえで「製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにするトレーサビリティの確保も重要です。原材料の調達から生産、消費または廃棄まで追跡可能な状態であれば、不具合が生じてもすぐに自主回収できる体制がとれます。

しかし、対応するには全工程における正確なロット管理や漏れのない記録が必要であり、どう実施していくかが化粧品の品質管理では大切なポイントです。

■化粧品の品質管理が抱える課題に対する3つの対応策
化粧品の品質管理が抱える課題に対する3つの対応策

化粧品の生産性及び品質管理が抱える課題には、それぞれ対応策があります。対応策を取り入れることで、業務効率の改善や、企業の信頼性の向上にもつながるでしょう。ここでは、課題に対する3つの対応策を紹介します。

◇1.在庫管理を明確にして可視化
化粧品は原材料に使用期限があるため、期限切れを起こさないように在庫の情報を明確に把握し、ルール化しておくことが重要です。原料や資材で先入れ先出しするなど入庫日・使用期限で使用順の優先度がわかると、不適切な原材料の使用も未然に防げます。

また、在庫には原材料のほか中間品や製品・資材などがあり、種類が多いと保管場所が把握しづらくなります。在庫管理を明確にして可視化すると全体での情報共有にもなり、ピッキング等必要な在庫品をさがす際の業務の効率化にもつながります。

◇2.業務内容のマニュアル化
手間のかかる品質チェックの業務内容のマニュアル化をすることで、人為的ミスが最小限に抑えられます。その業務が属人化すると担当者の負担が大きくなるうえ、担当者の不在時または退職時は対応できないといった事態になりかねません。

業務内容を可視化すると、複雑な工程でも品質を均質化しやすくなり、作業時間の短縮など生産性の向上にもつながります。また、課題が出てきた際でも、素早く問題点を見つけて改善策を考えやすくなります。

◇3.品質管理ができるシステムの導入
国際基準である「ISO22716(化粧品GMP)」や「ISO9001(品質マネジメントシステム)」などを意識した品質管理システムを導入すれば、より製品の品質を高水準で保つ補助の役割となります。品質が保証されれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

また、各工程の履歴が細かく残るシステムであれば、トレーサビリティも確保しやすくなります。

■品質管理を効率化する生産管理システム「JIPROS」導入のメリット

化粧品の品質管理の確実性を増すには、生産管理システム「JIPROS」を導入がおすすめです。JIPROSは医薬・化粧品の生産モデルに特化し、充実した標準機能を整備した生産管理システムであり、品質管理を含めた製造情報基盤整備を実現できます。ここでは、JIPROSの特徴を紹介します。

◇医薬・化粧品に特化した品質管理業務の効率化
医薬・化粧品の生産モデルに特化した「JIPROS」は、GMP対応を支援する品質管理機能を装備しています。

化粧品の製造現場では、原材料の受入試験・バルク・製品の製造試験・在庫試験などの、生産の流れに沿った試験の管理が行なえます。JIPROSは品質管理と生産管理の連動ができるため、検査状況のリアルタイムな把握や、次の工程へのスムーズな情報連携も可能です。

品質管理・生産管理をシステム化することで個別管理した場合と比較して、重複業務を排除できるため、業務の効率化や生産性の向上も図れるでしょう。

◇高水準の品質保証体制を維持
「JIPROS」を導入し、人為的ミス対策とすることで、高水準の品質保証体制の維持が期待できます。JIPROSは、品目マスタで製造品目から原料・資材まですべての品目Noごとに、品質検査・出荷判定・製造承認などGMPを支援する設定をすることが可能です。

その他GMPを支援する機能として、以下の機能を装備しています。

  • • ロットの追跡機能(双方向検索機能)
  • • 各種有効期限と起算日の管理
  • • 期限切れ再試験
  • • 不合格ロットと有効期限切れロットの引当禁止
  • • 製造管理責任者による製造指図書発行
  • • 品質管理責任者による検査判定・出荷許可 など
  • また、オプションのバーコード検品ソリューションや秤量システムを用いた現品チェックにより、より省力化して人為的ミス防止対策を実施できます。

    ◇情報の一元化でトラブル時も迅速な確認・対応が可能
    「JIPROS」によって情報を一元化できるため、トラブル時にも対応しやすくなります。JIPROSは各種検査判定や受入・投入などの実績を一元管理し、製品から原材料/原材料から製品と、双方向のロットトレーシングが可能です。

    トレーサビリティに対応できるため、トラブル発生時もスムーズに確認・対処が可能でしょう。また、情報の一元化は意思決定に関する情報収集の時間、資源の重複や期限切れなどのムダなコストを減らせるメリットもあります。

    ■品質管理もできる生産管理システム「JIPROS」の導入について
    品質管理もできる生産管理システム「JIPROS」の導入について

    「JIPROS」は、多くのGMP関連企業様に導入していただいています。医薬・化粧品製造業をはじめとする、豊富なシステム導入経験を持つエキスパートがJIPROSを含めた品質管理体制の構築をご支援するため、安心してお任せいただいております。

    ■まとめ

    化粧品には、顧客ニーズを満たすために高品質かつ安全を保障できる製造工程が求められるため、徹底した品質管理が重要です。とはいえ、品質管理基準を満たすのは容易ではなく、現場ではさまざまな課題もあります。

    そこで考えられる対策が、在庫管理の明確化や業務内容のマニュアル化、品質管理ができるシステムの導入です。特に、システムの導入では、高水準の品質保証体制の維持を期待でき、情報の一元化でトラブル時も迅速な確認・対応が可能となります。

    ぜひこの機会に品質管理機能を有する、生産管理システム「JIPROS」の導入を検討してみてください。

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