◆プロセス製造とは?基本概念と直面する課題について解説
プロセス製造は、日常生活と密接に関わる業界で広く採用されている製造方式です。効率的かつ大量生産に適している一方で、原材料のロスや品質管理の複雑さ、トレーサビリティの確保など、業界特有の課題にも直面しています。
本記事では、プロセス製造の基本的な仕組みやディスクリート製造(組立型製造)との違い、そして今後の業界成長に向けて解決すべきおもな課題について、わかりやすく解説します。
ここでは、プロセス製造の基本概念と例について解説します。
◇プロセス製造の基本概念
プロセス製造とは、原材料に対して連続的あるいは段階的な変化を加えることで製品を生み出す製造方式です。この製造形態では、原材料は液体、気体、粉体などの流動的な形態で扱われ、製品は部品のように「組み立てる」のではなく、物質の性質を変化させることで完成します。製品の品質や安全性を確保するために、製造工程の厳密な管理と制御が求められる製造方法の一つです。
◇プロセス製造のおもな例
プロセス製造が活用されているおもな産業は以下のとおりです。
● 医薬品産業:原薬の合成から製剤化まで、化学反応や混合、乾燥などの工程を経る
● 化粧品産業:クリームやローションなどの製造において、原材料の混合や乳化、充填といったプロセスが含まれる
● 食品・飲料産業:小麦粉の製粉や乳製品の加工、調味料の製造など、粉体や液体を扱う工程が多く、プロセス製造の代表的な分野
上記のプロセス製造を採用している産業では、製品の品質や生産効率を維持するために、プロセスの最適化や自動化が進められています。
プロセス製造を正しく理解するためには、もう一つの主要な製造方式である「ディスクリート製造」との違いを把握することが重要です。
ここでは、ディスクリート製造の基本概念やプロセス製造との違いについて解説します。
◇ディスクリート製造とは
ディスクリート製造とは、個別の部品やコンポーネントなどを組み立てて、明確に区別可能な製品を生産する製造方式です。この手法では、各部品が独立しており、組み立て後も製品を分解して再構成することが可能です。製品は通常、数量で測定され、個々に識別できる形で出荷されます。
ディスクリート製造が活用されているおもな産業は以下のとおりです。
● 自動車産業:エンジン、シャーシ、内装など、多数の部品を組み立てて車両を製造する
● 家電製品産業:冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど、各種部品を組み合わせて製品を完成させる
● 電子機器産業:スマートフォンやコンピュータなど、多数の電子部品を組み合わせて製造する
ディスクリート製造は、製品ごとに異なる設計や仕様に対応する必要があるため、柔軟な生産体制と高度な品質管理が求められる製造方法です。
◇プロセス製造とディスクリート製造の相違点
プロセス製造とディスクリート製造のおもな違いは以下のとおりです。
| 項目 | プロセス製造 | ディスクリート製造 |
|---|---|---|
| 原材料の形態 | 液体、気体、粉体などの流動的な材料を使用 | 個体の部品やコンポーネントを使用 |
| 製造方法 | 化学反応や物理的変化を通じて製品を生成 | 部品やコンポーネントを組み立てて製品を構成 |
| 製品の形態 | 一体化された製品で、分解や再構成が困難 | 明確に区別可能な製品で、分解や再構成が可能 |
| 生産プロセス | 連続的またはバッチ形式で行われ、工程間の分離が難しい | 各工程が独立しており、柔軟な生産体制が可能 |
| 在庫管理 | 原材料に有効期限があり保管が難しく、リアルタイムの工程管理が重要 | 原材料や部品の在庫管理が可能で、生産計画の調整が柔軟に行える |
| 品質管理 | 原材料や環境条件の変動により品質が影響を受けやすく、工程の安定性が重要 | 部品や組立工程の管理により品質を確保しやすい |
プロセス製造が直面している課題はおもに以下の4つです。それぞれについて解説していきます。
● 技術者の不足
● 在庫の管理が複雑
● 納期の短縮化
● 環境を配慮した生産体制が求められる
◇技術者の不足
日本のプロセス製造業は、少子高齢化による熟練技術者の不足という深刻な課題に直面しています。特に、化学反応や混合などの工程が多いプロセス製造では、気温や湿度などの環境変化に応じた工程の微調整が必要であり、これまで熟練の技術者の経験と勘に頼ってきました。しかし、若年層の就業者数が減少し、技術継承が難しくなっている現状では、このような属人的な対応が困難になってきているのが実情です。
このような状況下で、製造業では技術継承のための教育体制の整備や、IoTやAIを活用した工程管理の自動化など、技術者不足を補うための取り組みが求められています。また、若者にとって魅力的な職場環境の整備や、キャリアパスの明確化なども、技術者の確保と育成において重要な要素となります。
◇在庫の管理が複雑
プロセス製造業では、原材料から最終製品までが液体や粉体、気体など多様な形態を持ち、さらに多くの原材料には使用期限や有効期限が設定されています。例えば、食品や医薬品、化粧品などの業界では、原材料の使用期限を過ぎると品質や安全性に影響を及ぼす可能性があるため、厳密な在庫管理が必要です。また、最終製品においても保存条件や期限に応じた管理が求められます。
さらに、プロセス製造では、製造工程が連続的またはバッチ形式で行われるため、各工程間の在庫管理も重要です。原材料などの在庫が過剰になると保管場所の確保や品質維持が課題となり、逆に不足すると生産ラインの停止につながる可能性があります。
◇納期の短縮化
日本をはじめとする工業先進国のプロセス製造業では、人件費の高騰や市場競争の激化により、より高付加価値な最終製品の生産が求められています。これに伴い、原材料の需要が増加し、サプライヤーには短納期での供給が強く要請されるようになっています。
しかし、プロセス製造業では、急な生産スケジュールの変更や短納期対応が難しいという特性があります。さらに、少子高齢化による人手不足や熟練技術者の減少も、迅速な対応を困難にしています。
◇環境を配慮した生産体制が求められる
近年、持続可能な開発目標(SDGs)への対応が産業界全体に求められており、プロセス製造業も例外ではありません。プロセス製造業では、化学反応や混合などの工程が多く、エネルギーや水の大量消費、廃棄物の発生など、環境への影響が大きいとされています。そのため、持続可能な製造業を確立するためには、可能な限りロスのない効率的な生産を実現し、環境負荷を最小限に抑えることが求められます。
■プロセス製造の課題解決には「生産管理システム」の導入が効果的
製造業の生産性と柔軟性を高める手段として注目されているのが、生産管理システムの導入です。特に、製造工程や在庫、品質、原価などを一元的に管理できるERP(Enterprise Resource Planning)は、業務効率の向上と可視化を実現する有力な手段となっています。ここでは、ERPの基本的な役割とメリットについて解説し、さらに食品・医薬・健康食品に対応した生産管理システムである「JIPROS」についてもご紹介します。
◇ERPとは
ERPは、企業内の「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源を一元的に管理し、業務の効率化と経営判断の迅速化を支援する統合基幹業務システムです。プロセス製造では、製造指図・原材料の入出庫管理・最終製品などのロット管理・品質検査・工程進捗の把握など、複雑かつリアルタイムな生産管理が求められます。ERPを生産管理の中心に据えることで、プロセス製造では以下のような効果が期待できます。
● 製造工程の一元管理
● 使用期限管理の徹底
● トレーサビリティ対応の実現 など
ERPは、プロセス製造の生産管理システムとして役立つ機能の多いものとして導入が進められています。
◇プロセス製造の生産管理システムならJIPROS
医薬・化粧品・健康食品業界において、製造プロセスの複雑性や厳格な品質管理基準への対応は、企業にとって大きな課題となっています。これらの課題を解決するためには、統合管理パッケージ「JIPROS」の導入が効果的です。JIPROSは、これらの業界特有のニーズに対応した生産管理システムであり、以下のような特長と機能を備えています。
| 特長・機能 | 概要 |
|---|---|
| GMP管理 | 医薬・化粧品・健康食品業界のGMP管理を支援する品質管理機能を標準装備 |
| 生産計画の最適化 | ガントチャート連携による生産計画、使用設備等の可視化も可能 |
| トレーサビリティの確保 | ロットトレース機能により、製品の製造履歴を一元管理し、迅速な対応が可能 |
| 在庫管理の効率化 | 原材料や最終製品などの在庫をリアルタイムで把握し、在庫の最適化を支援 |
| 属人化の防止と業務の標準化 | 業務プロセスの可視化と標準化により、属人化を防ぎ、業務の効率化を実現 |
上記の特長・機能により、JIPROSは医薬・化粧品・健康食品業界のプロセス製造業における生産管理の課題解決を支援します。
JIPROSの導入事例については、以下でご覧いただけます。
https://www.jipros.com/case/
プロセス製造業は、原材料の使用期限管理、工程の最適化、納期短縮、環境配慮、そして熟練技術者の減少といった、複合的な課題に直面しています。これらの課題に対応しながら、品質と効率を両立させるには、属人的な対応に頼らず、全体を一元管理できる仕組みの導入が不可欠です。
そこでおすすめなのが医薬・化粧品・健康食品などのプロセス製造業に特化した生産管理システム「JIPROS」です。JIPROSは、製造現場の標準化、在庫の最適管理、トレーサビリティ対応、そしてGMP準拠の品質管理など、あらゆる観点からプロセス製造業の運用を支援できます。現場の実情に即した柔軟な対応と、導入実績に裏打ちされた信頼性を兼ね備えたJIPROSは、持続可能なプロセス製造を実現するための効果的なソリューションといえます。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。